1年の春、ソフトテニス部に入部することを決めて本当に良かった、と引退の際に思えたことが大変嬉しかった。迎えた最終戦、最下位争いとなり、1番手を任されたにも関わらず敗北し、2番手の瀬川に委ねることとなったことは情けなく、チームに申し訳なかった。しかし、選手として100%以上の力を発揮してくれた瀬川はもちろん、懸命に応援する先輩・後輩・同期の姿を見て、良い仲間に恵まれたことを実感した。そして、7部残留が決まり、涙を流したり笑顔になったり、互いに称え合ったりする仲間の姿を見て、チームのことも、チームに所属する自分自身も、誇らしく思えた。
私はメンタルが弱く、未熟だった。加えて、怪我が多く、チームに迷惑ばかりかけてしまった。自分に失望することもあったが、支えとなったのは、1年の秋季リーグに選手として出場させていただいた経験であった。正直なところ、試合内容どころかリーグ前の練習自体もあまり覚えていない。しかしながら、とにかく緊張していたこと、先輩方に技術面でも精神面でも支えていただいたこと、そして情けない試合内容でも勝ち越してチームに貢献することができ、7部に昇格できたことは覚えている。この秋季リーグを経て、先輩方のように頼れる選手になりたい、上手くなりたい、自信を持ちたい、と強く思うようになった。
一方で、先輩方と掴んだ7部の舞台で、降格しないために恥じない試合をしたいという「~しないように」という思いは私自身に圧力をかけた。選手としてチームに貢献するために、身体的にも精神的にも、多少のしんどさは我慢すればよいと考えた。結果、2年の春季リーグを迎える前から痛みを感じていた肩の状態は、気付いたときには秋季リーグへの出場もかなわないほどに悪化してしまった。自身の不甲斐なさを痛感し、チームにおける役割を見失った自分は、合宿や三商戦には参加せず、退部した後の姿すら想像していた。それでも、同期や先輩に粘り強く声を掛けてもらい、久しぶりに練習の様子を見に行った際、私の思いも背負って懸命に練習するチームメイトを見て、はっとさせられた。私は、メンタルの弱い選手であった自分を支えてくれた仲間の存在が本当に心強かったことを覚えている。それにも関わらず、私は選手としての役割ばかり考え、選手を支える役割の重要性に、恥ずかしながら今更気付いた。そして、こんなにも身勝手な私を当たり前のように迎え入れてくれたチームメイトに対し、少しでも力になりたいと考え、やっと積極的にチームに参加できるようになった。迎えた秋季リーグの結果は決して良いものではなかったが、私にとって最も意味のあるリーグであったように思う。
私は、入部する際に自分に期待した以上に上達した。要因としては、次の3点が挙げられる。
1点目は、1つ上の代に越えたいと思い続けた同じポジションの先輩がいたためである。澤部先輩は常に私よりもソフトテニスが上手だった。打つ球の威力だけでなく、最後の最後まで球を追う姿勢や、試合で勝つために自身の弱い部分と向き合う姿勢は、常に高い壁となって私の前に立ちはだかった。澤部先輩の背中を追いながら、澤部先輩から一番信頼される後衛の座を奪いたいと思いながら、私は自身のプレースタイルを確立することができた。結局、最後までその座を奪うことはかなわなかったが、「この選手を越えたい」という目標が向上心を掻き立て、上達し続けることができた。
2点目は、長期スパンで目標を立てることができたためである。振り返ると、ストロークフォームを大きく変えたことが最も上達につながったように思う。入部したての頃は、まるでゴルフをしているかのようなフォームだと言われていた。しかし、攻撃力を上げたいと思った私は、打点を上げることを目標として様々な方からアドバイスを頂いた。試行錯誤を重ね、目標を達成できたと確信した時は、目標を掲げてから約1年が経過していた。時間はかかったが、新しい景色を見ることができた喜びは格別であった。
3点目は、しつこいようだが、仲間に恵まれたためである。向上心の高い仲間とともに、同じ目標に向かって練習を積み重ねた。コートの中でも外でも意見を交換し、それぞれがソフトテニスと真剣に向き合った。このような環境に身を置くことができたことに感謝したい。
最後になりましたが、4年間、多大なるご支援を頂きましたOB・OGの皆様、大変お世話になりました他校の皆様、三好さん、先輩方、後輩たち、そして同期に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。今後はOGの一員として、ソフトテニス部を支えたいと思います。