『随想』

商学部4年 神澤拓実

 

随想を書くにあたって4年間を振り返った時、やはり思い出されるのは数々のリーグ戦の思い出である。リーグ戦は私の学生生活において大きな意味のある出来事である。というのもリーグ戦を経て、自身のメンタルが大きく成長したと実感できるからである。

光栄にも1年の秋からリーグ戦に出させて頂くことができたが、結果は5戦全敗であった。当時は1年生ということもあり、先輩方は皆、「何も気にせず好きなようにやれ!」と言葉を掛けてくださった。その言葉通り、伸び伸びとプレーすることができ、自分の実力以上のプレーができたように思える。しかし単純に6部という舞台で戦う実力が伴っていなかった。それからは2年春のリーグ戦でシングルスをやることが決まっていたので、そこに向けてひたすら練習した。上級生の先輩やOBさんのおかげで着々と技術を磨くことができた。

しかし、2年に上がってから自分のメンタルの弱さが露呈し始めた。練習試合でもそれなりに実績を残し、周りからも勝利を期待されるようになって臨んだ2年春の結果は散々であった。緊張に押しつぶされ、簡単なボールでさえ全く打つことが出来ず5戦全敗。入れ替え戦にも敗北し降格を経験した。自分のメンタルの弱さが招いた結果であったが、当時の自分はこの惨敗を素直に受け入れることができなかった。練習試合ではそれなりに勝っていたことや、自分のプライドの高さ、言い訳の多い性格が邪魔をしていたのだと思う。「調子が悪かったから仕方ない」、「このまま練習すれば次は勝てる」。そんな風に考え、自分の弱点であるメンタルの強化からは目を背けていた。

その結果2年秋、3年春も思ったような結果を出すことはできなかった。特に3年春には幹部として降格を経験した。幹部として全く機能していない僕たちを見兼ねた4年生の先輩やOBである義経先輩から僕たちの甘さを指摘された。自分の情けなさを痛感し、根本から変わらなくてはいけないと感じた。自分の弱点であったメンタルの弱さを乗り越えて、安定して勝てる選手にならなくてはいけないと焦りを感じていた。

自分のメンタルの弱さはどこから来ているのかを考えたときに、自分には言い訳が多く、勝利に貪欲になりきれていないことに気が付いた。思えば試合中にも呑気に言い訳を考えているような情けない選手だった。風が強い、調子が悪い、応援が気になる等、今となってはなんてくだらないことを、と思うのだが本当にこんなことを考えては試合中に自暴自棄になっていた。本気で相手に挑んだ結果負けるのが怖くて何かのせいにしたかったのだろう。そんな自分を変えるため、「言い訳をしない」、「調子が悪いという言葉を使わない」と心に決めた。その決意を胸に、全力で相手にぶつかり、負けたときは今までにないほどの悔しさを味わった。しかし、「なんとしてでも勝つ」という姿勢は徐々に身についていった。

3年秋に41敗と好成績を残すことができた時、自分が勝負強くなったのだと実感することができた。そして4年になるころには全力で試合をすることの楽しさを味わえるようになった。4年秋にも目標である全勝にこそ届かなかったが、4勝をあげることができた。あの時変わろうとしなければ絶対に実現し得なかった成績だ。自分が変わるきっかけを与えてくださったOBさん含め先輩方には感謝してもしきれない。

 

4年間を通して自分はこの部活から本当に多くのことを学ばせていただいた。この部に入部して本当に良かった、と引退してから常々感じている。最後になりますが、日ごろご支援頂いている球朋会の皆様、コートに足を運んでくださるOBさん、同期、後輩の皆に改めて感謝申し上げたい。いままで自分がお世話になった分、自分が部活に何かを還元するのはこれからだと考えている。一橋ソフトテニス部の皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。