切磋琢磨。中高一貫校で所属していたソフトテニス部にはこの言葉が書かれた旗があり、耳にする機会も多かった。また10ペア以上いる中で団体戦の試合に出ることができるのは3ペアのみであり、実力が近いペアが多かったため実際に切磋琢磨していたように思う。しかし大学に入ると状況が変わった。部内の人数10数人に対して団体のメンバーは9人となり、自身が行っていたシングルスでは自分以外にシングルスをやる人がいないという時期もあった。もちろんその中でも多少の番手争いはあり、ミーティングなどでも度々話題には上がってはいたが、切磋琢磨していたかと思い返してみるとあまりしていなかったように感じる。最後の年に次のシングルスをやる人として1年生が名乗りをあげ、その1年生とレギュラー争いのようになっていた時期がわずかながらあったが、こうした切磋琢磨の機会がもっとあればよかった、そういった雰囲気をもっとつくればよかったというのが引退して思うことの1つである。

 

 コロナウイルスについても少しだけ語る。2年生の3月から活動が思うようにできなくなり、結局引退まで元に戻ることはなかった。幹部としての期間はあっという間に終わり、三商戦、合宿、球朋総会といったイベントは2年連続で中止となった。そしてリーグ戦は入れ替え戦なし、棄権校あり、応援制限ありといった本来のリーグ戦とは異なったものとなり、引退試合となるはずだった4年の秋リーグに至っては中止が発表された。嬉しい状況では全くなかったが、正直なところこれらのことについてとても悔しいだとか、コロナウイルスを恨むといった気持ちはあまり持てなかった。ソフトテニス部中心の大学生活であったはずなのに、ソフトテニスや部活動への情熱を強く持つことができていなかったのだと思う。コロナウイルスへのどうしようもなさや、チームの事情といったことも情熱を強く持てなかった理由の一部ではあると思うが、一番の理由はつらいことから逃げてその場しのぎの努力でなんとかしてしまう自身の甘さや、何かに夢中になることができない自身のつまらなさにあると感じる。この甘さやつまらなさは自身の良いところでもあり悪いところでもあると思っているが、部活動においては間違いなく悪いことである。そう簡単に変えられるようなことではないが、そうした人間が部活動に参加していたというのは申し訳ない部分がある。

 

 少しネガティブなことを書いたが、大学でソフトテニス部に入ったことに後悔は全くない。ソフトテニス部で経験できたことは貴重なものばかりであり、中でも少人数だからこそ味わうことのできたリーグ戦での一体感や勝利の喜びは忘れられないものである。怪我に苦しめられた時期、試合に勝てず悩んだ時期、そしてコロナウイルスでソフトテニスができない時期など色々あったが、最後にここで入部したことに後悔は全くないと書くことができたことは良かったと思いたい。

 

 

最後にOBOGの皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。ご支援ご鞭撻ありがとうございました。今後は会費を通しての貢献ぐらいしかできないと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。