ブシャール結節

ブシャール結節という病名を聞いたことがありますか?

 

しばらく前から私の左手薬指が腫れて曲がらなくなり、しっかり握れなくなって痛みがあるようになりました。整形外科で診てもらったら、ブシャール結節ですねと言われた。レントゲンを見せて「軟骨がすり減ってしまっていますが悪いものではありません」「対症療法しかないので、いよいよ痛ければ人工関節に換える手術をするしかありません」とのことだった。実は私の場合右肘もテニスで軟骨がすり減ってしまい曲がらなくなってしまっている。こちらは明らかにテニスという原因があるのだが、左薬指については思い当たるものがない。テニスで左手が痛むほど酷使することはしないし、つき指の覚えもない。「何も物理的な原因もなく勝手に軟骨が無くなってくるようなことがおこるのですか?」と質問に対して、「原因は不明ですがそういうことが起こるんです」という答えであった。結局、ロキソニンゲルという痛みや炎症を抑えるという塗り薬をもらって帰ってきた。

帰宅してネットで調べると ブシャール結節の原因は良く分かっていませんが、中高年の女性に発症するケースが多いようです。ブシャール結節は指の第二関節の軟骨がすり減って骨が変形してしまい、指の関節痛、指のこわばり、指の関節の腫れなどの症状が出て指の関節の曲げ伸ばしが困難になる場合もあります。”と解説されている。原因不明も効果的な治療がないのも医者が言った通りのようである。更にブシャール結節は単独で起こることは少なくヘパーデン結節を伴うことが多いとあるので、へパーデン結節を引いて笑ってしまった。へバーデン結節は、人さし指から小指にかけての第一関節が赤く腫れたり、指が曲がったりするもので指の関節痛を伴う事もある。原因不明で有効な治療法がないとのこと。結局のところ第一関節か第二関節か違うだけで、別の名前がつけてある。手指第一関節痛・第二関節痛でよいではないか。医学の無力である。

人智を尽くして分からないものはしかたがないのだが、医学の無力を言う前に別の問題もあった。今回の受診はセカンド・オピニオンを求めたものであった。実は前の医者でもレントゲンを撮り、「軟骨がすり減ってしまっているのでどうにもならない。共存していくしかないでしょう。どうしても痛ければ手術しかありません」と言われたのです。違いは原因を話したくだりでした。「この症状もう長いのですが、これ何が原因なんでしょう? テニスは右利きで左手にそんなにダメージがくるようなことはしないし、つき指は覚えがないし、どうしてでしょう?」と言ったら、「そんなこと知るか」と叱られた。何でそんな言い方されなきゃいかんと思ったが、体を大事にしない患者を医者が叱責する場面をドラマなどでよくやっているのを思い出してそんなものかと我慢した。それから一年以上この病気とつきあってきたが、原因不明というのも気味が悪いしだんだんひどくなっている気がするし、悪化しているのかも含めて再診断してもらいたかった。第一のお医者さんの態度がなんとも気分が悪かったし、違う診立てもあるかと思い別のお医者さんにかかることにしたわけである。何のことはない、第一の医者は不勉強でブシャールもへパーデンも知らなかったのだろう。知っていれば今回のように、こんな名前がついているくらい一般的なことで、年をとるとそんなことになってくるんですよと教えてくれていることになったのだろう。どうせ原因不明で治療法がないにしても、ブシャール結節というそれらしい名前のついた良くある病気なんですということであればこちらも安心できたのである。

世の中は日進月歩、お医者さんを含め専門家を名乗る以上は一生涯勉強し続けてもらわねばならない。いつかブシャールの人にもヘパーデンの人にも光明が訪れん事を祈るばかりである。

<参照>
http://www.pluswellness.com/column/ooi/index06.html
http://yubigaitai1957.seesaa.net/category/9652463-1.html

平成231224